冷えは、貧血や心臓疾患、甲状腺機能低下症などの病気の一症状として出てくることもあります。冷えがあると月経痛や膀胱炎の原因になるなど、さまざまな病気の元になります。
 冷え原因として考えられるのが、自律神経の乱れです。自律神経には、暑いときには血管を拡張させて熱を逃し、寒いときには血管を収縮して熱が逃げるのを防いで、体温を調節する機能があります。
 不規則な生活や過剰なストレスなどで自律神経の働きが乱れると、常に血管を締めて、血液の流れを悪くします。血行が悪くなると末梢血管まで血液が届かず、手足などの末端が冷えます。このタイプは、冷え症に加え、慢性的な肩や首のこり、腰痛や膝痛、生理痛などの症状も伴いやすくなります。
 自律神経は、ホルモンと密接に関係しあっているので、ストレスや更年期などで女性ホルモンがアンバランスになると、冷えを感じることがあります。
 体を温める機能が低下するために起こる冷えがあります。このタイプは、エネルギー不足のために手足が冷えるだけではなく、しもやけになりやすい、だるい、風邪をひきやすい、頻尿や夜間尿、性欲減退、不妊症などの症状も多く見られます。
 そのほか、極端なダイエットをしている、きつい下着で体を締めつけているといったことも、冷えの原因になります。
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 また、食後の熱産生を高めるためには、肝臓を丈夫にし、筋肉を増やす必要があります。良質のたんぱく質のほか、肝臓の酵素として働くビタミンとミネラルをよくとりましょう。

【冷えによい主な食材】
しょうが、赤唐辛子、ワイン、牛肉、羊肉、えび、もち米、長いも、大和いも、じゃがいも、玉ねぎ、にんにく、らっきょう、にら、大豆、納豆、乳豆、グリーンピース、かぼちゃ、ねぎ、ゆり根、くるみ、栗、いわし、さんま、さば、あじ、蟹、牡蠣、りんご、山椒、シナモン、紅参など。

 大豆や玉ねぎに含まれるケルセチン、羊肉に含まれるL-カルニチンは、体内でミトコンドリアを活性化させて代謝をよくし、体を温めます。
 生活習慣でも、運動を習慣にし筋肉量を増やす、お風呂はお湯にゆっくりつかり体を芯から温まりましょう。また、必要以上に薄着をしたり、きつい下着で締めつけることはやめましょう。
 体温が1℃下がると、免疫力は37%低下、基礎代謝が12%低下、体内酵素の働きは50%低下すると言われています。
 体を温める食べ物、食べ方が健康で長生きする秘訣です。

食養生第一回体が冷える

冷えを改善するには、まず血管を拡張させることです。しょうがは有効成分のジンゲロール、赤唐辛子はカプサイシンが体内で血管を広げる働きをするため、血流がよくなって体が温まります。