助っトレーニング

第八回

 女性では、加齢にともなって、尿を出そうと思っていないのに無意識に尿が漏れてしまうことがあります。“尿失禁”といわれるものです。自分の思い通りに排尿のコントロールが出来なくなるのです。中高年女性の60パーセントは、尿失禁があるといわれています。
 尿失禁を起こす原因はいくつかありますが、代表的な原因は咳やくしゃみです。
 咳やくしゃみをするとき、腹圧が急上昇し膀胱を圧迫します。そのため、意識しないのに尿が漏れてしまうのです。これを腹圧性尿失禁といい女性の70パーセントを占めているそうです。
 腹圧性尿失禁は、膀胱や子宮などの骨盤の中の臓器を支える筋肉(骨盤底筋群)がゆるんで、膀胱の位置が下がることによって起きます。下がった膀胱に腹圧がかかったとき、尿道が十分にしまりにくくなるために、尿漏れが起こってしまうのです。
 骨盤底筋群のゆるみの原因としてもっとも多いのが出産です。これは妊娠時のホ

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ルモンの影響で産道が柔らかくなるために起こるので、通常は半年から1年で自然に治ります。腹圧性尿失禁が加齢とともに増えるのは、骨盤底筋群が衰えるからです。
 尿失禁を防ぐには、咳やくしゃみを豪快にしないで、できるだけ静かに行うことです。物を持ち上げたりするときも尿失禁が起きやすくなります。急に持ち上げないで、ゆっくりと行うことです。とにかく、体に力が入るような行動をするときは、意識してゆっくり行うように心がけましょう。
 さらに、骨盤底筋群を鍛えるのも尿失禁を予防する効果があります。
 また、こまめに排尿することも忘れないでください。
 その他に、尿意を感じてトイレに行くのですが、間に合わず漏らしてしまう切迫性尿失禁があります。約30パーセントがこのタイプです。切迫性尿失禁は、膀胱炎などのために膀胱が過敏になって起こるものと、脳の障害などによって排尿の抑制がきかなくなって起こるものがあります。